2010/09/19

kashmir「百合星人ナオコサン」 - みんな女の子たちはそれが好き!(らしい)

kashmir「百合星人ナオコサン」第2巻 
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前の記事から連射でご登場のナオコサン。けさ歩いてて、公園の植え込みにキノコが生えているのを見て思いついた話があるので、それをちょっとだけ。

関連の記事らにて筆者は何度か、『ナオコサンがどうして≪百合≫星人なのか、実はいまいち分からない』くらいなことを書いた気が? いや、確かに書いたはずで。
で、まれにナオコサンが≪百合≫星人らしいことをしようとするお話があったのを思い出したので、以下ちょっとそれを見ていこうじゃなイカ、と。

第2巻の巻末近くの第38話(p.139)、たぶんみすずの同級生で≪さくら≫という女の子が登場し、上級生の≪明(あきら)先輩≫と百合的なおつきあいがしたいような、ふとどきなことを言い出す。なんでそんな相談が出てきたかというと、さくらはみすずと柊が、百合交際をしてるものかとかん違いしているのだった。
で、そこは否定しつつも彼女たちが、とりあえず下校中の明の後をつけると、何と男子が登場して明と並んで歩き始めるのだった。するとさくらはテンパって、『清純な明先輩 がそのへんの 男なんかに』…うんぬんと、おかしいことを言って取り乱す。

そこへ、われらのナオコサン登場。さくらに対して柊はナオコサンを、『百合の専門家 みたいなもの』として紹介する。で、ナオコサンは、さくらのために一肌脱ぐ気になってしまう。そして、そっこうで言い出した作戦が…。

 【ナオコサン】 そのセンパイの 道を正すには先ず
 深層意識に 陰茎に対する 恐怖を植え付ける しかないな!

『道を正す』、ときやがった。そしてどうでもいいことを1つ申すと、オレはその『深層意識』ということばがキライ。意味がよく分からんが、ともかくもオレらにケンカを売ってる感じしかしない。あ、ま、それはともかく…。

Led Zeppelinで、ナオコサンはどうするかというと、『ZEPPELIN(ツェッペリン)』と胴体に書かれた巨大な飛行船をどっかから出してきて、いきなり背後から『ズン』と明に衝突させる(!)。
…こうして『カシミール』先生のご創作に『ツェッペリン』号が出てくるのはある種の必然で自然、とは言えば言えるのだが(*)。しかしその直撃を喰らったセンパイは、気の毒にも救急車で搬送されていくハメに…っ!

どういうつもりかってナオコサンのアイディアは、あれこれと陰茎っぽいものを使って痛い目に遭わせれば、やがて明が『それ』自体を恐怖するようになるだろう…てことらしい。
その珍作戦に、なぜかさくらは『さすがです!』と、大感心。そこで彼女を狙撃手として、続いてその『それ』っぽいものたちが次々と、明に向かって発射される。ナマコとユムシが明の顔面に『べち、びちゃ』と着弾し、そしてアザラシが『ポフ』と明の目の前に出現する。

ところが明は『それ』らを大いに気に入って、ナマコ等を自宅の水槽で飼育し、そしてアザラシをペットとして愛玩し始めるのだった。特にアザラシを、ハートマークをやたらに飛ばすまでのかわいがりよう。
と、計算がぜんぜん狂ったので、ナオコサンは『ここはひとつ 臨機応変に』と作戦変更。そしてツェッペリン号にさくらをくくりつけ、進水式用のシャンパンらしきものを用意しつつ言う。

 【ナオコサン】 君自身が陰茎化して アタックしてみたまえ
 【さくら】 がんばります!
 【みすず】 ナ ナオコサン! おかしいよ こんなの

…それこれで。さくらをくくりつけた飛行船が、超あさっての方へ飛んでいってしまった後の、さいごの場面。明はアザラシ君を抱きかかえて外を歩いており、そして赤く顔を上気させながら、みょうにHOTな視線で『それ』を見つめている。
そこで、さっき登場した少年が引きながら明に言うのだった。『姉ちゃん…… ヘンなもの 持ち歩かないでよ』←オチ。

さてこの第38話のサブタイトルが、『マーガレットにリボンに快楽天』というのだが。前の2つの名詞は少女まんが誌、さいごの1つはエロ漫画の誌名だと受けとって。
そしてまたどうでもいいことだが、少女誌のりぼんを『リボン』と書いてすましているやつらがオレは許せない…。あ、いや、いいけど。
で、このお話は。『実はきょうだいでした!』というオチのつけ方が(いにしえの)少女まんがっぽくあり、そして『女子たちはそれ(風なものら)が大好き♥』という結論の出し方がエロ漫画的、ということなのだろうか?

かくて見てきたように、われらが『百合の専門家』みたいな人は、それ自体についてはまったく役立たずなのだった。ま、『深層心理』などというくだらぬ用語をふり廻しているうちは、どうもならんはず。
そうして筆者が申し上げたいのは、この作品「百合星人ナオコサン」は超でたらめきわまるしろものだが、しかしウソは描いていない、ゆえにりっぱな≪ギャグまんが≫であり『正気』の作品である、ということだ。ウソを描いている作品があるとすれば、それはギャグじゃない『百合まんが』だろう。そんな狂ったしろものが、もしあるとすれば。

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