2010/03/28
三ツ森あきら「LET'S ぬぷぬぷっ」 - 『外傷的ギャグ』とはどういうものか
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きのうの土曜日にせっかく浦和レッズが勝ったのに、きょうの日曜日に体調がよくない自分。『調子のいい音楽を聞いていると、逆に気分が悪くなる』とは、どういう症状なのだろうか。
そしてこの事態を、ダセぇ、まぬけだ…と嘆いていてばかりでも何なので、ちょっと小さな記事を投じてみると。
――― 三ツ森あきら「LET'S ぬぷぬぷっ」第6巻,p.130より ―――
頭が悪くて家が貧乏で、見た目も貧しく頭のてっぺんにペンペン草が生えている小学生≪スギヤ君≫。ある日、席替えで、クラス1の美少女≪雨野谷さん≫の隣の席になってしまった彼は、よせばいいのにへんな野心をいだく。
そこでスギヤ君は、彼女から辞書を借りて、その中の『Hな単語すべてに赤線を引いてしまう』といういたずらを思いつく。そんなことで女の子の気を引けると思っているのもおかしいし、何とも心の貧しい発想ではある。
ところが見ると、雨野谷さんの辞書には、『性器』、『性交』、『精子』と、すでにびっしりその赤線が引かれている。
ちょっと考えると、その赤線を引いたのが辞書の持ち主とは限らないわけだが、にしてもショッキングなギャグではある。というか、ショッキングではないものを≪ギャグ≫とは言いたくないのだけれど。
ここでいろいろ説明したいことはあるが、いまは思いきって略す。つまりこうしたものを、筆者は『外傷的ギャグ』=狭義の≪ギャグ≫、と呼びたいのだった。
文末にささいな雑話を書いておくと、近ごろ気まぐれで、日本語入力システムをMS-IMEからGoogleに変えてみた。すると、『どう』とまで入力したところで、『どうしようもない僕に天使が降りてきた』という変換候補がポップアップしてくる(!)。そして、『降りてこねェじゃねーかッ!』という筆者の舌打ちを誘うのだった。
それに限らないんだけど、このIMEの機能には、『どうしょうもない紋切り型を書け』という誘導を感じるのだった。じっさいのところ、それで誰が困るのだろうか? これまたSEOの話の続きみたいなもので(*)、『“平均化”された一般人の発想』のつまらなさを、このテクノロジーはイヤつうほどに見せつけてくれるのだった。
(…誤解なきように。『一般人の発想』がつまらない、などと申し上げているのではない)
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