2010/10/08

わじまさとし「わっしょい!わじマニア」 - レット・ヨーセルフ・ゴォ!!!

わじまさとし「わっしょい!わじマニア」 
参考リンク:Wikipedia「わっしょい!わじマニア」

話題の「わっしょい!わじマニア」は、2009年デビューの新鋭わじまさとし先生が、同年の後半に週刊少年ジャンプに掲載されたショートギャグ連作。
さらにどういうものかというと、ぶっちゃけ「増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和」にスタイルやふんいきが近すぎる、『不条理系』のオムニバス作品。単行本は、ジャンプ・コミックス全1巻。

そして自分的には、この作家さまのペンネームが、まずいきなり面白い。『姓・名』をどこで区切るのか、それが分からなくて面白い。
『わじ・まさとし』、『わじま・さとし』、『わじまさ・とし』、『わじまさと・し』、いずれも成り立っているような感じで。いや、さいごのはさすがにないか?

で、何しろ『情報』ってものを知らなすぎる自分なので、この「わじマニア」という作品の存在自体、3日くらい前に初めて知った(!)。そして、いかなる先入観も予備知識もなくして一読した。で、そのさいの素朴な読後感。

『あからさまなる「日和」のフォロワー登場って感じだが、これもこれでいいんじゃない? けっこう笑えるところあるし。
ただ、面白いところとそうでないところのムラが目立つとか、まんがとしての構成がこなれてないとか、減点されそうなポイントもずいぶんあるにはある。絵づらがぜんぜんきれいじゃないってのも、ダメな人はダメかも。
だが、オレはこういう作品らをもっともっと見たい。カモン、レット・ヨーセルフ・ゴォ!!』

…と、それだけ書いておしまいにしてもいい感じだ。皆さまに対しても、この堕文をここで読みやめることをおすすめしたい気もしつつ。

しかしさっき知ったことだが、今作に対するジャンプの平均的読者さまらの反応は、異様によくなかったらしい。逆の意味での話題作、だったらしい。言うなれば、同ジャンプの「私立ポセイドン学園高等部」(2008)の惨劇の再現、ってとこだろうか?

そして、どうしてそうなったのか、ということが自分には大いに見当がつく。そもそもこういう、描きなぐりっぽい不条理ギャグに対する世間さまの見る目は、基本的にはひじょうにきびし~い…ということは、知ってかからねばならないし。
この「わじマニア」の直接すぎな先行作の「日和」にしたって、あれも言うなれば『くさや』みたいな作品なわけだ。そしてそんなものでどうにかしようと考えたら、くさやなりにも厳選されたラインナップを敷かねばなるまい。で、「日和」はそれを達成できて『こそ』、成功にいたったのだ。

それがそうじゃなく、『石ころや汚物も混じってますが、食べれるところもけっこうあるです。どうぞ!』みたいなサーブをされたら、お客さまは困っちゃう。いや、そんなにまでひどいとも思ってないけど!
だがしかし、ガリッと石ころを噛んだ(と感じた)お客さまは、『石を喰わされた! オーノゥ、ファッキン・シット!』、ということしか憶えないで帰るハメになるのだ。その一方、あまり自覚がないが筆者とかマニアなもので、自然と石などをよけてギャグまんがを摂取できるらしい。が、そんな人めったにいないし!

だいたい週ジャンでの連載で、ド新人作家に「日和」のまねごとをやらせるなんて、逆にいじめじゃないの?…という気も大いにいたす。大先パイの増田こうすけ先生だって、週刊ペースではとてももたないだろうに。
いや、それはまあ、いきなりの初連載、追い込まれたところで「すごいよ!マサルさん」のうすた京介先生のように、反発して大ブレイクしやがるかも?…という期待があったのかも知れないが。ちなみにうすた先生の初期短編らにしても、オレ的には『さみぃな』と思うので、新人作家なんてどういうポテンシャルがあるか、追い込んでみないと分からないものだが。

まあいい。いろいろ書いちゃったが、けっきょくオレは、まんが界の『情勢論』ごときには興味がない。「バクマン。」が描いてるようなことは知らん。だから今作の『内容』こそを、追っての記事でちょこっと見る予定にしておいて。
そして出だしがつまづき気味だったのかもしれないけど、わじまさとし先生のさらなる今後のご健筆に、オレは大いに期待して終わる。カモン、レット・ヨーセルフ・ゴォゴォ!!

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