2010/10/05

くろがねぎん「HR」 - バナナとバナナが、バナナラマラマン!

くろがねぎん「HR」第1巻 
いまからちょっと見るくろがねぎん「HR」は、ツイッターとかの知り合いでギャグまんがを追求する同志、神原もとのさん(*)がすいせんしてくれた作品。角川コンプエース掲載、全2巻(角川コミックスA)。

調べてみたら、第1巻が出たのが2007年で、思ったより新しい作品だった。だというに、版元品切れ中で重版未定とは。
そんで古書店をチェキってたら第1巻を発見、しかも売価50円(!)。…で、見てみたのだったが。

 ――― くろがねぎん「HR」第1巻, 版元による宣伝文(*) ―――
 笑か死か!? ギリギリネタが脳天直撃!!
 「あれだよ…? 正直、萌え系雑誌でするネタじゃないと思うよオマエ?」
 下ネタ・毒舌・ギリギリパロに自虐ネタまでツッコンだ!?
 ジックリ煮込んだギャグ闇鍋を召し上がれ!

何その長いだけのあおり、作の概要がさっぱり分からないよぉ…っ!

しょうがないのでオレから説明すれば、これはようするに学園もの。よって「HR」という題名は、おそらく学校のホームルームのこと。カンサイ人でメガネっ娘のヒロイン≪六甲卸橙(ろっこうおろし・だいだい)≫が、転校した先の関東の学校が、ひじょうにおかしいところだった…と始まる、シュールで萌え系なドタバタギャグまんが。

で、さっきツイッターにこれの感想を手短に書いたので、ちょっと補足しながらそれを引用しておくと。

あまり多くの人が注目はしてなさそうな、くろがねぎん「HR」第1巻(2007, 角川コミックスA)の感想。途中のホモネタ1発が、まったくもって読めた展開なのに、オレのツボを直撃した。ホモ好きですみません。「トーマの心臓」の頃から読んでるので、しょうがないんでつ。

くろがねぎん「HR」第1巻について、もう少し。さいごの方の死神女と幽霊少女の会話で、死神が上司との不倫で悩み中、と打ち明けてくる。
そして正妻に負けないために、≪女の武器≫を鍛えて、『ついにはバナナを 輪切りにするほどに なったのにッ!!』…と、まったくあらぬことを言い出す(p.152)。ここでいきなり急に、ナマっぽくなまぐさいお話が飛び出してくるのでびっくり!

くろがねぎん「HR」第1巻について、さいごに。で、その死神さんが、どくろっぽいマスクを取ったら実はかわいいとか、そんな展開がありそう…などとと思ったオレも、けっこうな凡人なのかな? そして全般、ドタバタ・不条理・下ネタ・萌え系と、メニューが少々散乱しちゃってる感じあり。



…という自己引用に続いて自己パロディ、と、痛い行為を連発すると。『バナナを輪切りに』、というところで超おなじみ&超重要な、≪去勢≫のモチーフが出てきてるってワケ?
いやその、自分なんかはものすごい作品をいろいろ読んでるだけに、あおられているほどの『下ネタ・毒舌・ギリギリパロ』ということを、いまいち感じなかったのだった。ただし媒体の中では、これがギリギリだったのかもしれないけど。

あと、自己引用の中でも『散乱』と言ったが。この作品は、おかしい人らがどれだけおかしいのか、ツッコミ役はどれだけ正気なのか、その座標軸が見ていて定まってこない。まんがとしてあるべき『基本的な構図』ってものが、やや不安定なのでは?
そういうことだと、仮にギャグ自体が斬れていても、読者としては受け止め方のところで、いちいち考え込むことになる。この作品が志向していそうな『黒さ』には共感できるだけに、もう少し何とか…。いや、未読の第2巻は、もっと面白いのだろうと信じつつ!

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